若さは強み、30歳。

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俺の誕生日ってさ、PUFFYのデビュー記念日なんだ。人生初めてのライブもPUFFY。

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いつだったか大好きなゆずが「もうすぐ30歳」って大声で歌ってた。
あの頃の30歳はおじさんというか、もっと大人なんだと思ってた。

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実は、ある頃からずっと年齢は伏せていた。ネット上の情報、聞きに来てくれるお客さんにはもちろん、すごく仲の良いミュージシャン以外のほとんどにも。

若いって強みだと思う。
17,8歳の頃から、歌も演奏も下手だった俺は売れないながらもたくさんツアーに回って、好きな先輩が関西に来れば絶対にライブや打ち上げに顔を出して、時には夜行バスで東京にも行って。
そうするとみんなが覚えてくれていた、褒めてくれていた。若いのにすげぇねって。もちろん馬鹿にしてくる人間も大勢いたんだけど。

20歳で組んでいたバンドでのツアーをして、どの地方に行っても「ひなつけんたって知ってるよ」「話は聞いてるよ」「名前聞いたことあるよ」ってみんなが言ってくれた。

行動の賜物だと思う、ありがたい話だ。

今となっては無名中の無名だ。もちろんあの頃よりそういった行動が減ってしまったのもあるだろうけど、「若いのに」ってすごくでかいと思う。

「若いのに」ツアーをしている、「若いのに」いつでも顔を出してくれる、「若いのに」いろんなとこから名前を聞くよ。

今思い返せばどこへいっても付いてきた枕詞だ、「若いのに」。

いつの間にかそれに固執をするようになっていた。
まあ実際に世の中の主要なレーベルや事務所、イベントのオーディションは~22歳、高くても25歳が限度で、俺が入りたかった事務所のほとんどは若さを求めていた。

冒頭に書いたように若さは強みだ、そう思うし、業界が貧困な今可能性のある若い人材を求めるのは至極当然のことだと思う。
もちろん様々な書類に年齢は書かなきゃいけないから応募すればバレちゃうんだけど、でもやっぱり自分のことを諦められなくて、自信はずっとあって。
どれだけ興味を持ってもらったとしても年齢を知ったら全部無しにされてしまうんだろうって思ってた。

ここ数年の若いバンドたちは俺世代のその頃より格段に上手だし、かっこいいと思う。
ライブハウスもかっこよくて「若い」バンドを求めてる。
実際言われたよ、若いバンドが多いから年齢的にイベントに入れにくい、ってさ。

どんどん年齢に対してネガティヴになってきてた。
年を追うごとに「お前に可能性なんかないんだよ」って言われてる気がしてた。

でも今日、30歳になってなんで年齢を明かしたかって、周りのみんなのおかげなのさ。
東京に来て4年、ここ半年〜1年でリスペクトできる存在が、俺としっかり向き合ってくれる人が格段に増えた。
むちゃくちゃ売れてる先輩、武道館にたった先輩、30を超えてからメジャーを決めたり、メジャー落ちてから自らたちだけで立ち上がった友達。
もちろん昔からの付き合いの人もたくさんいるんだけどそんな友達が増えた。

なんか馬鹿らしくなってきた、隠すのが。
もちろん若い衝動には憧れるし、若くして結果を残す後輩たちは羨ましい。
昔の映像を見ていて、20歳の自分を未だに超えれてないってずっと思ってる。

でも今、ずっと楽しいよ。
あの頃思い描いていた30歳には程遠いし、売れてなきゃ30歳なんか音楽を辞めてると思ってたけど、ずっと楽しいよ。
俺を信用してて腹割って話してくれる友達のおかげでさ。

あの頃の経験があったから最近やっと始められたYouTube「ヒナツルーム」、いろんなミュージシャンが力を貸してくれているよ。
みんなのおかげでやりたいようにやれてるよ。

そう思ったら、年齢なんていいやと思ったわけだ。
そんな人たちのおかげで30年間生きてこれたし、俺はいい音楽を作っている自信はあるし、もっと面白くエンタメをしていきたい。
もっと日々を面白く作り続けて、30歳だろうが35歳だろうがそれに賛同してくれる、力を貸してくれる誰かがいれば、その時は喜んで手を借りようと思う

それに、何も諦めちゃいないんだ。
もっと大きなツアーを回ることも、テレビ番組に出ることも、決してエンタメには明るくない両親の目に付く場所に立つことも。

家族と応援してくれているあなた、俺を見下してたあいつらくらいには、おれがダウンタウンにシバかれてるとこ見せたいよな。笑

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ただの自分語りのようなもんになってしまったな、読んでくれてありがとう。

年齢を聞いて誰がどう思うかはわからないけど、よければ今後ともひとつ、ひなつけんたという人間を、よろしくお願いします。


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